土屋さんの舞台美術セミナー 〈クレイジー・フォー・ユー〉

仕事と被るからと、すっかり諦めていたはずだった土屋茂昭さんの舞台美術セミナーに参加したくて、直前になって遠征を決め、仕事も巻きに巻いて、またまた行ってしまいました…京都「クレイジー・フォー・ユー」

9月17日。
本編は、2週間前の金曜とは比べものにならないほど、元気な楽しい舞台でした
ほんとに良い舞台で「嬉しさいっぱい」だったのですが、本編のレポは18日の分を書きますので、さっそく舞台美術セミナーのレポです。

登壇はスーパーバイザー・土屋茂昭さん。

まずは「CFY」という作品についてのさわりから。
オリジナル・スタッフ名を連ねて、BW作品である(オリジナルに日本人スタッフはいない)ことを話されました。
このスタッフの中で飛躍的に有名になったのが、スーザン・ストローマンさん。

次に「この中でBW発のミュージカルは何本あるでしょう?」というプチクイズ。
有名なミュージカルの題名がいくつも並びました。
正直なところ、どこが発なのか知らない作品もありましたが、この設問の意図が見えてしまったので、答えは「1本」しかないだろうな~と。。。
こんな思考じゃいけません(申し訳ないので手も挙げませんでした)が、答えは「1本(CFYのみ)」で正解でした。
そして「CFYが上演された前年、1991年は何があったでしょう?」
はい、湾岸戦争です。
この二つの設問の意図は「BWはロンドン発のミュージカルに圧され、湾岸戦争で退廃したアメリカをどうにかしようよ!と作られたのがこのCFYという作品です」ということです。
四季の初演の時は、BWの安宿に敬二さんが1か月位泊まって、全部の役の振りを覚えてきたという話もされていました。

ここからセミナー本編に入ります。
舞台監督の木村謙介さんもお手伝い。

現在、スタッフは舞台13名、音響3名、照明4名だそうです。

まずはザングラー劇場のセット。
CFYは、古典的な舞台美術で、パースペクティブだという説明でした。
(パースペクティブなのは一目観ればわかるので、もう少し肉付け説明があったら良かったな)

「袖パネル出して」の声で、天井からパネルが降りてきました。
針みたいなのが床に刺さって、それを軸にパネルを回転させると、オープニングのシーンになります。
動いてるところを見るのって面白~い
次に「裏緞帳」の声で、ザングラーが挨拶してる時の客席を描いた緞帳が下りてきて、土屋さんがザングラーの立ち位置に。
「こういう方向で立つと、客席に向かってるように見えます」
(土屋さん、ついでだから「どうも、どうも、どうも」ってやってみて~!)
それから、紗幕のトランスルーセント効果を見せていただきました。
描いてあるライトに灯りが点ったように見えるのがよくわかりました。
(こういうのが見れるのはイベントならではなので、嬉しいです

次は、ニューヨークの幕(ザングラー劇場の回りの街並み)。
NYの街並みにネオンが点いているように見える効果が「灯入れの電飾」
黒い幕を切り抜いてあって、後ろにあるホリゾントを明るくすることで間接的に照明をあてるのだそう。
ここで土屋さん、「何でここだけ明るくなってるの?」って綻びを指摘しちゃいました。
(何カ所か妙に明るくなってる部分があるのは、かなり前から(前回公演の時もそうだった気がする)だけど、実際の街並みも、電球が新しかったり古かったりして、明るさに違いがあるので、本物っぽくていいかな、なんて思ってたんですけどね~)

ここでホリゾント自体も見せていただきましたが、そっか~!舞台で使われるホリゾントは“ホリゾント幕”だもんね。
私が毎日お目にかかってたホリゾントは“壁”の方だから、下の方にアールがあるんです。
だからアール=ホリゾントって図式が出来上がってしまってたので、今更ながらに「そっか、そっか!」と思ってしまいました。
でも、「消え物」という言葉の使い方は一緒でした。
CFYの場合は、ランクが壊しちゃうホテルの看板とか、Wザングラーが食べてるパンです。
私の場合も、消え物にはおいしい思いをさせてもらった記憶があります。
たとえば、1コ5000円のマンゴーなんて、自分じゃ絶対買いません(買えません)もの

ホリゾントが出たところで、出されたのは遠見。
遠くに見える工場や牧場(牛がいる)の絵です。
これもパースペクティブだということで、その手前に立てばいいけど、遠見の後ろに立っちゃうと(立った人間が)ウルトラマンになっちゃう…と言って立たれてました。

その次は、デッドロックの街並み。
地灯り(字はこれでいいのかな?)と本照明の違いを見せていただきました。
(照明によってこんなに雰囲気が変わるんだなぁ、というのを実感)
そして、上手の建物と下手の建物の消失点が違うと仰ってました。
(上手と下手はそれほど気になりませんが、下手に並んでるランクの酒場とガイエティ劇場の消失点が違うのはすっごく気になるんですけど~~~。なんだかガイエティ劇場が歪んでるように見えるよ~)
土屋さんは、最初(初演のこと?)に、このセットでは、さびれ方を見せるために、傷の入り方や色味を指示されたそうです。

そして、ランクの酒場。
ほとんどを舞台スタッフ13名の人力で動かしているという説明でした。
1か所だけ油圧の部分があるということで、セットを裏返して入口の部分にあるハイドロモーターを見せてくださいました。
酒場シーンの時は開いていて、外のシーンやボビーが担ぎ込まれてくる時は閉じてるというように、動かす必要のある部分なんですね。

京都劇場の舞台袖は狭いので、セットは分割して袖に収納されているということで、分割する様子も見せていただきました。

(このあたり、実際のセミナーと順番が入れ替わってるかもしれません)
ランクの酒場&ホテルを回転させると、ホテルの全部の部屋が繋がっています。
人間が立つ場所(板)も折りたたみ式になって、何本かの支柱で板を支えている状態。
(危なそう~
袖に入れてる時は折りたたんで、スペースを確保してるそうです。

ランクの酒場にある鳩時計。
鳩が出てくるのと、時計が壊れるのは人力だということで、実演してくださいました。
ドアを開けたままスタッフさんが人力を駆使してるところは、とてもわかりやすかったです。
壊れたのが直るのを見た土屋さんが「簡単に直っちゃうんだ」と仰ってました。
タイミングの合わせ方については、見ているのではなく、音で合わせてるのだそうです。
(8月に観劇した時(だったかな?)、ランクが鳩時計を撃ちましたが、1発目は不発で2発目で見事(?)時計が破壊されたのは、音で合わせてたからだったんですね!)

次は、ガイエティ劇場の幕。
絵紗(これも字合ってるかな?)になっていて、(紗幕の)奥を明るくすると奥にあるものが見えるようになっている。
ただ、絵が暗いと透けて見えたりするので、黒幕を中に入れることもあるとのこと。


セットについての説明が終わると、次は衣裳について。
衣裳スタッフさんが登壇されました。
CFYでは衣裳さんはお一人なんですって!
300アイテム(200スタイル)もの衣裳をお一人。。。
それに、普通は、靴は舞監さんが担当だそうですが、四季の場合は衣裳さんが担当なんだそうです。

ポリーのピンク、白、ブルーの衣裳は、全円の衣裳(回転すると丸く広がる)になってるということで、スタッフの女性がポリーのブルーの衣裳を着て登場されました。
衣裳は、1930年代の衣裳の定番のもので、当時の高層ビルと同じエレメントが使われているのだそうです。
(そのへん、もう少し具体的に説明してほしかったなぁ)
フォーリーズの衣裳はアップリケではなく、パッチワークになっていて、すごく技術がいる衣裳で、1着60万円位するそうです

最後は床山さん。
床山さんもCFYではお一人、メイク指導もされているそうです。
カツラは27枚…女性24枚とボビー&ザングラーが3枚。
お手入れは、巻き直したり、2週に1回シャンプーをすると仰ってました。

以上で説明は終わり。
この後は、舞台に上がっての見学です(ミニバクステみたいな感じ)。
順番待ちの間、土屋さんが質問に答えてくださってました。
見学は、舞台上手にあるカツラ→カスタスの店→下手にあるガイエティ劇場(外)→フォーリーズの衣裳→舞台下手袖という順でした。
私が何故か目についたのは「Egg」
カスタスの店でも「Egg Large $○○ Medium $○○ Small $○○」みたいな張り紙があったし、ランクの酒場でも価格表に卵料理があったから。
ホテルのキーボックスの隣にあったカレンダーは1936年4月だったから、卵(食品だと玉子か)ってすごく大事な食べ物だったんだろうな~。

一緒に参加したお友達は、ピートがひな菊を育ててるベランダ(?)にどうやって登るの?と疑問を持ったようですが、本編でもハシゴが見えてますよ~(って余計なお世話!?)

この日は、本編もセミナーも充実したとても楽しい「CFY」でした!

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この記事へのコメント

ミキミニ
2010年09月24日 00:21
Rinoさん、こんばんは~
うわ~すごい!!四季の公式にはまだ言ってないのですが、公式そのままコピーされました?って思うほど、、、公式より詳しかったりして 笑
よくこんだけ覚えてますね~
「BW発のミュージカルは何本?」はあたしの両隣のお方は意図も簡単に正解してはったんですね 笑
あたしは、まんまと騙されて、4本か5本って思ってましたもん(^_^;)
パースペクティブ?トランスルーセント?ホリゾント?
専門用語のオンパレードで あたしはお手上げでした 笑
NYの街並みのネオンの明るさにセミナーの前から気づいてはったんですか~すごい!!

今回のイベントで、かろうじて「トオミ」だけ、覚えて帰るて来たのがあたしには収穫でした^^
トオミは漢字があったからです 笑
2010年09月24日 02:01
ミキミニさん、こんばんは。
ひたすらメモとにらめっこで書きましたよ~。
カタカナだから専門用語というわけではないですよ。
といいつつ、私も漢字があてはまる単語の方がはるかに覚えやすいです。
公式は写真入りでズルイ!とか思ってしまいますね(笑)
文字だけで表すのって大変…
だからこそ実際に見せていただけるイベントは理解を深めるいい機会なんですよね~。

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