響人第5回公演 〈夜の来訪者〉

7日、響人「夜の来訪者」@上野ストアハウスを観てきました。

観劇の時に予習はしない派なのですが、今回は久しぶりの響人公演だったので、どんなお話が早く知りたくて文庫本を読んでいました。
カタカナ名が苦手な私は、名前を覚えるのに時間がかかるので、勝手に出演者と登場人物を見比べて配役して俳優さんの姿や口調を思い浮かべながら原作を読むという、順番が入り乱れた状態でした
でも、この作品をどう表現するのか、すごく楽しみでもありました。

小川絵梨子さんの演出作品は、前回の響人「オーファンズ」「Doubt」、ひのあらたpresents「Migwetch」に続き4回目の観劇。
直近の「Doubt」と「Migwetch」では、四角い箱をいろいろな小道具に見立てているのが印象的だったので、今回はどんな風になるのかな?と思っていたら、不思議な空間が目の前にありました。
舞台奥には額縁に入ったようなダイニングセット、その手前はまるでトリックハウスのような、四角錐を底から覗き込んでいるような傾斜舞台のセット。
最手前は、下手側の途中が階段になっていて上手側はフラットな黒い通路。
これ、どう使うんだろ?
早く観てみたくて、開演までの5分がすごく長く感じました。

幕が開いて最初に感じたのは、ダイニングやグラスなどはお金持ちの家庭な雰囲気なのに、衣装が普通の家庭だなぁ、ということ。
シーラはドレスなのだけれど、着こなしがお金持ちのお嬢様らしい感じではなかったし、自分が不勉強なのだけれど、100年前のイギリスで、こういう服着てたのかしら?と思う衣装もあり、何か意図があるのかしら?と思いました。

そして、今回は翻訳も小川さんが担当されたとのことで、普段使う言葉になっているということでしたが、普段聞き慣れた言葉だと、すごく現代的な感じがするので、1910年代だということを時々忘れて現代の話であるかのような錯覚にも陥りました。
錯覚を起こすことも計算しているとすれば、凄過ぎです。

広瀬さんと美沙さん、このお二人は舞台上に並んでいても、強い信頼関係で結ばれてるな~という感じがします。
思えば、このお二人が一緒の舞台に立っているのを観たのは2006年10月の京都「CFY」以来なので、5年ぶりのこと。
共演をまた観ることができて、嬉しい

「サイド・ショウ」のジェイクの名残?と思う髪で吉原グール警部登場。
背中が曲がっていて、ずっとこの姿勢でいるのも大変だろうなぁ、などと余計なことを考えてしまいました。
終始変わらないトーンで話すことで、本当は何者なのか?というグール警部をうまく演じていたと思います。
後でこのグール警部の真似をする広瀬アーサーがまた、えらく面白かった

ここからは、ダイニングと傾斜舞台の使い分けがとても面白かったです。
どんどん落ちていく表現であったり、考え方や人生観などの違いが居場所の違いであったり。
壁に映る影もまた、とてもいい味を出していました。
残念だったのは、靴音がかなり響いていたこと。
かぶりつきで観ていたせいかもしれませんが、靴音が台詞の邪魔をしていたのです。
何か工夫があればいいな、と思いました。

今回、原作を読んでいたこともあり、話している人物より他の人の心の動きが観たいなと思う場面もあり、注目して観ていましたが、しっかり表現されていて、さすがでした!

ラストに近くなると、広瀬アーサーは「ザングラーだ!」と思う部分があり、別の意味で楽しくなったりもしてしまい、これでいいのかな?とも考えました。
考えているうちに、原作を読んでいる時に「この人物はザングラーに似た所があるかも」と感じたことも思い出しました。
そして、人間臭さが出ていていたことは確かです。

この作品を観ていると、セットの額縁は「家族の肖像」とでも言いたげでもありました。

原作を読んだ感じでは、もう少し社会的な背景に焦点が当たっている感じがしましたが、この作品ではより「家族」に焦点があり、身近な問題として描かれていたように思います。
面白かった

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