福田恆存生誕百年記念公演 〈一族再会〉〈堅塁奪取〉

数ヶ月前から、何となく「また解たまが観たいな~」と思っていたら、このチラシが目に入り、恆存さんの他の作品も観てみたいなぁと、行ってきました。

生誕百年記念公演は、「一族再会」と「堅塁奪取」の2演目。
「一族再会」は初演が昭和35年、「堅塁奪取」は初演が昭和25年(ともに文学座アトリエ)だそうなので、舞台の時代背景もそうだけれど、作品自体もレトロな感じでした。
自分が子供の頃に母が観ていたTVドラマの世界…みたいな感覚とでも言ったらよいかしら?


では、観た順に感想です。

「堅塁奪取」
演出は恆存さんの次男・福田逸。
出演:金子由之、奥田隆仁、茂在眞由美。

最初は緊張しているのかと思っていた青年(奥田くん)が、奇妙な持論をまくしたてていくのだけれど、おかしな持論に入った所からもっとテンションが高ければ良かったなぁ…難しいとは思うけど。
途中からはすごく乗ってきて、役として自分の世界に入っているのか、ご本人が変な持論に陶酔しちゃってるのかわからないくらいでした(笑)

金子さんは、いままでにも昴の公演で何回か拝見しています。
今回は、幕開きから耳が慣れるしばらくの間、四季慣れし過ぎている私には、若干言葉がはっきりしませんでした。
ごく自然なのが昴の特徴でもあるんだけれど。
高名な学者(金子さん)が訳の分からない青年の持論にとうとう激昂して、普段(今まで)とは全く違う人格のようになってしまった所は「来た~!」と面白かったです。
ただ、学者というイメージとはちょっと違う気がしたし、普段激昂した時のコントラストを考えて前半は抑えた演技をしているのかなと思うけれど、何かもの足りなかったんです~。
激昂した時も、もっと壊れちゃって~!と思いました。

セットはシンプルでした。
設定は夏なのに、あのカーペット(と言うのか?)だけが冬っぽいのが気になりました。
夏、畳の上にあのカーペットじゃ、カビ生えちゃうよ~
それとも、あの時代はそれが普通だったのかなぁ?

「一族再会」
演出:菊池准
出演:伊藤和晃、一柳みる、吉田直子、板倉光隆

こちらのセットは、かなりいろいろな物が並んでいます。
生活感もあってリアルなんだけど、作られ過ぎてしまって観る側の想像力を必要としないのが残念。
こんな所で「あ、演出は准さんだっけ?」と思ってしまった(笑)

夫婦が同時に別の異性を口説いている場面は、同じ台詞で双方の会話が繋がっていくというもので、予想通りではありましたが、実際に観るとやっぱり可笑しいですね。
もっと小気味よいテンポで繋がってくれたら、さらに面白かったと思うな~。

ストーリーの展開も、これまた想像通り。
さすがに昔の作品だな、とは思ったけれど、予想通りでスッキリしたという感じです

夫役の伊藤さん。
5月に拝見した「エデンの東」の牧師さんとは全く違うイメージで(役が違うのだから当然かもしれないけど)、こういう芝居もされるのか!と興味津々で観てしまいました
多少はヅラのせいもあるかもですが、お金で女性をモノにしようとする嫌なオヤジ役なのに、イヤミがなくて、どこか可愛らしいところがあって、良かったです。
また違う役でも観てみたいなぁ。

妻役は一柳さん。
ちょっとパワフル(?)なミドル世代の女性を一柳さんが演じられると、声が完全にドナ・シェリダンです!
何度か「ドナだ!」と思いましたが、「(娘の)父親が誰だかわからない~」みたいな台詞の時は、私の頭の中にはメリル・ストリープと知寿さんと早水さんが同居しちゃったような感じでした(笑)
えっと、何か見方間違ってます?
その他の部分もちゃんと観てたつもりなんですが、やっぱりドナの印象が強くって。。


両作品とも普段あまり観ない類のものだったので、新鮮でもあり、面白かったです。
たまにはこういう作品を観るのもいいな。

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