舞台美術セミナーレポート 〈間奏曲〉

「間奏曲」も3回目の観劇。
今回は1階後方席で、この3回、まったく違う座席位置での観劇となりました。
音は一番きれいに響いているように思います。
イマイチと思っていたフーガも、この席ではよく響いていました。
2階席が屋根になって、音が集められているのかなぁ?

作品全体も、流れるように進んでいって、3回のうちで一番良かったです。
もっと熟成されそうな気がするので、公演期間が短いのが残念だなぁ…と思いました。

ここからは舞台美術セミナーのレポートです。
台本上の一幕と二幕が上演上の一幕、台本上の三幕が上演上の二幕になっているため、便宜上、開演~休憩までを一幕、休憩後~終演までを二幕と表します。

登壇はお馴染み、土屋茂昭氏。
「間奏曲」の装置は、四季の創立メンバーの一人・藤本久徳さんが作ったもので、土屋さんはリニューアルの時に参加されたそうです。

舞台上のセットは二幕のイザベルの家。
二幕のアクティングエリア(約5間)と傾斜はキャッツの舞台とほぼ同じだそうです。
一幕の野原より狭く見せるために間口を狭くしたり、壁の蔦のような模様の上に薄い布を張って質感を出したり、というのが土屋さんの仕事だとか。

ここで、舞台監督の柿木由紀子さんが登場。
一幕から二幕への場面転換は15名で行っているが、スタッフだけでは足りないので、俳優8名も加わって休憩時間に転換しているとのこと。
(町の人やコーラスの男性俳優が実演してくれました)
スタッフで男性は1名のみ、あとは全員女性です。

イザベルの部屋には、幽霊を捕まえるワナとして様々な小道具が置いてあるのですって。
単純にイザベルの持ち物じゃないんですね。

次に遠見の説明。
初めて見た時から、面白い遠見だな~と思っていたのですが、絵が5枚重ねてあると仰っていました。

また室内に戻ります。
床は同心円が描いてあって、宇宙の中心に二人がいるような感じにしてあるそうです。
そして自動ドア(笑)
紐で引っ張るという簡単な構造になっていて、弛んだ紐が客席から見えてしまうのでピンと張るためにガムテをぶら下げてありました。

普段は終演後に行っている二幕から一幕への転換をここで実演。
家具類が運び出されると、カーペットと同じようにクルクル巻いてある芝生を舞台に敷きます
完全に一枚ものなんですね。
「芝生には縫い目が多い♪」になっているのは、もとは凸凹だった(模型展示もあり)のを、稽古中に要らないということになり、アンコを抜いて縫い縮めたからだと後で説明がありました。

紗幕は普通の紗幕ではなく、モスリンという生地を使っているのだそうです。
ブツブツが見えるのはそのためで、敢えて選んだのですって。

“木”に使っている通称“たたみいわし”と麻紐の紹介、美術バトンは90本などの説明もありました。
それから“空”にも繋ぎ目があって、地明りでは繋ぎ目が見えているのを「本番中は照明で見えません」と言って、舞台明りにして変化を見せてくれました。

1枚ごとに高さを変えたパネルでルント状にしてあるのは、90cm(尺貫法だから半間なんだろうな?)ごとに空を切り取った感じなのだそうです。
ローホリに照明を埋めて空を染めているという説明でした。

次に、視学官の帽子が飛ぶ仕組み。
ここでの視学官役は白瀬くんでした。
テグスを土屋さんは“精霊の蜘蛛の糸”と呼んでいました。かわいい
「(本番で)精霊の蜘蛛の糸が見えた人?」という質問に1/3位の人が手を挙げてしまいました
「吉井さんに言っといて」って(笑)

その後は、黄昏~幽霊の登場場面の照明の変化を実演。
大きく3段階に分けて、違いがわかるように、ある程度のスピードで見せてくれました。
実際は1分半かけて変化させているのだそうです。

幽霊(ここでは柿木さん)の登場シーンを実演すると、あらら、引っかかってしまい、うまくルーバーが開きませんでした
本番ではあってはからないことなので、毎回チェックしているというフォローも。
ルーバーは上手・下手に3枚ずつ。
質問コーナーで、幽霊がどこから出てくるかわからないから両方開くと仰ってました。

そして、コンパクトの明かりの実演があり、最後は文字(もんじ)幕の説明でした。
文字が見えないのは、奥に行くほど高くなっているということ。
二文字と三文字(だったかな?)を下げて、ほとんどの舞台では文字がこう見えるのが、「間奏曲」では見えない、これは四季の舞台でも珍しい、と仰っていました。

その後は、舞台上と上手袖を見学、その間も土屋さんへの質問コーナーが続きました。
ベンチの上には、土屋さんの描かれた美術ボードと芝生の模型があり、分野は違えどデザインの仕事をする身としては、とても良い刺激をいただいてきました

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