舞台セミナー 〈トロイ戦争は起こらないだろう〉

2日に開幕したばかりの「トロイ戦争は起こらないだろう」
4日夜公演の後には、舞台セミナーがありました。

題名くらいは知っていたものの、内容は知らなかったこの作品、
23年ぶりの上演ということと、舞台装置が故・金森馨さんの代表作ということで、
どんな作品だろうと楽しみにしていました。

実際に舞台を観てみると・・・
いや~、この作品を楽しむには相当な勉強が必要ですね
おおまかなストーリーは単純なので、話の流れはわかるのですが、
この作品をどう理解して楽しんだらよいかわからいまま幕が降りたという感じです。

何故難しいか?その理由は舞台セミナーでわかりました
「トロイ」の作者はフランスの外交官ジャン・ジロドゥ。
書かれたのは第一次世界大戦が終わり、
戦争に勝ったフランスでは、人々が平和を謳歌していた時。
その時代背景も汲み取った上で、ようやく台詞の意味がわかるようなのです。

そんなお話をしていただいたのが、美術監修の土屋茂昭さん。
セミナー参加者は175名。

細かくレポできないので、印象に残った点を。。。
まずは衣装。
ギリシャ軍とトロイ軍では鎧の素材も違うのですね~
単に色が違うだけではなく、質感を出すために素材も違うのだそうです。

次に舞台装置。
こちらも、質感を出すための工夫がいっぱい!
ソロバンの珠のような形をした腰掛け、
玉座を並べてみると形は同じだけど、素材も違うし色も微妙に違います。
並べてみないと気づかないかもしれないくらいなのに、
しっかりこだわって作られてるんですね。

「トロイ」の舞台で象徴的な巨大な脚。
“運命”とか“宿命”という名前で呼ばれているようです。
足首から上、かかと、つま先の3パーツに分かれています。
足首から上の部分はワイヤーで吊り下げられているのですが、250キロあるんだそうです。
反対にかかととつま先の部分は、それぞれ女性二人で簡単に運べる軽さ。
足首の接合部分に木片のようなものがついているのは、
脚が開いた角度に見えるようにするためなんですって。
普通に立ってる角度だと、もう片方の脚も舞台上にないとおかしいということで、
もう一方の脚は舞台袖に入ってる角度に調整したそうです。

金森さんがデザインしたのは、実はこの脚と門(だったかな?)だけだそうで、
あとは土屋さんがプラスしたものだそうです。
たとえば、城壁は演出家から「空間の広がりを止めたい」という要望で加えられたとか。
「それでもこれは金森さんのデザインなんです」
そうおっしゃる土屋さんの言葉がとても印象に残りました。
“こういう作品を作りたいという演出家の構想をもとに作り上げられた舞台美術”だからで、
何を付け加えてもそれは“その舞台美術”なんです。

巨大な脚の1幕から戦争の門の2幕への舞台転換。
幕間に舞台からガタゴトとずっと音が響いていましたが、
最初はこの転回に1時間かかったのだそうです。
(そのままだったら、休憩1時間でしたね
今は20分、ということは休憩時間はずっと作業されてるんですね~。
作業は舞台監督、監督助手、照明、音響、男性アンサンブルの皆さんでやられてるそうです。
「劇団ですから、縦割りではなくみんなで作業します」

説明のあとは、質問コーナー。
土屋さんの返答で印象に残ったのは
「シンプルなのが好きなのは浅利さんです。金森さんはいろいろ飾りたがる」という話。
用意した小道具を4トントラック一杯持ち帰ったこともあるそうです。
美術模型の一部を稽古場にくる度に浅利さんが外し、
その度に金森さんが元に戻すというようなお茶目なエピソードもありました

最後は、受講者(観客)も舞台に上がり、舞台美術を間近に見せていただきました。
近くで見ると、さらに本物っぽく見えるところがスゴイ!!
一度、実際に触ってみたいです~。

次回は、セミナーのお話をふまえた上で本編を観てみたいと思います

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