千秋楽に思う 〈トロイ戦争は起こらないだろう〉

前夜降りしきっていた雨も上がり、青空と涼しい風の中、
「トロイ戦争は起こらないだろう」千秋楽の自由劇場へ向かいました。

少し先から聞き覚えのあるホイッスルの音が聞こえてきたので、
思わず横を見ると、建物の間から高脚ピエロ(野中さん)が見えました。
さすがに遠くから見ても目立ちますね~
そういえば「夢から醒めた夢」も翌日が千秋楽。
ここで一気に上演作品が入れ替わるんですね。

前回の舞台セミナーに触発されて、少しは勉強しようと思ったんですよ。
でも、原作は4000円近くもする「ジロドゥ戯曲全集」にしか見当たらないし、
当時のフランスの情勢の勉強なんて、どこから手を付けたらいいやら
ああ・・・言い訳、言い訳

初見の前回はストーリーを追うだけでいっぱいいっぱい。
2回目の今回は少し余裕が出て、これ面白いじゃん!と思えるようになりました。
(面白いという表現が適切かどうかは疑問の余地がありますが)
この作品のキャッチ「戦争は人間の宿命なのか」
それを巧みに描いていて、作者ジロドゥの心の叫びが伝わってくるようだったのです。

戦争を起こしてはいけないと思う人がいる一方、戦争を仕組む人間がいる。
ちょっとした運命のいたずらが戦争を引き起こす。
人間が持つ愚かしさ、その愚かしさに支配され突き動かされた時、宿命が訪れる。
外交官として、戦争は避けられないということを目の当たりにしてきたジロドゥが
書かずにいられなかった作品なのではと感じました。

第一次世界大戦が終結して十数年、民衆が平和の歌を口ずさんでいた頃、
ジロドゥは第二次世界大戦の足音を聞き取っていたのかもしれませんね。

見終わった直後より、家に帰ってからものすごく考えさせられました。

余談ですが、神保さんのビュジリスを拝見していると、
どうしても故・立岡晃さんのお姿が頭に浮かんでくるので、
気になって調べてみたら、前回公演(1985年)は
立岡さんが演じられていたようです。

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