舞台美術セミナーに惹かれて 〈思い出を売る男〉

分野は違えどデザイン系の仕事をしている私としては、土屋さんの舞台美術セミナーと聞くと、ついポチッとしたくなるのです(笑)
それに、日下さんの乞食はやっぱり生で観たい
というわけで、18日は「思い出を売る男」を観てきました。

まずは、日下さんの口上。
3年前の前回公演の時もお歳を感じたのですが、今回はさらに年齢を重ねられてるわけで…
と、ここで、前回は本編では別人のようにパワフルな乞食を演じられてビックリしたのを思い出し、早く日下乞食が観たいというワクワク感に変わりました。

真也くんの思い出を売る男は前回公演より柔らかさが出てきたように思います。
ただ、後半に進むにつれ、柔らかさが少なくなってしまいます。
“思い出を売る”ということを生業にしてる人間にしては若いなぁ。

日下さんの乞食、やっぱり凄い
演技の上手さは言うまでもなく、前回と同じではない所がこれまた凄い!
さすがに動きにはお歳を感じましたが、それを補ってまだお釣りがくるほどです。
どういうふうに役を捉えて、どうしたらあんな芝居ができるのでしょう?
観に来て良かった!


舞台美術セミナーの講師は、装置と衣装を担当された土屋茂昭さん。
最初に加藤道夫さんの舞台美観についてお話されましたが、ほとんどパンフに載っていると仰っていたので省略~。
次に、土屋さんのセミナーでは初めてスクリーンに図を映写しての説明がありました。
土屋さんの描かれたスケッチ、それを基に若いスタッフさんがAuto CADで起こした図面が投影されました。
そして、最初のスケッチに色をつけたものと、パース(私たちの業界ではパースと呼ぶのだけど、舞台の世界では何て言うのかしら?)を交互に映し出して、これを見て浅利さんが演出を考えるのだと仰っていました。

実際の舞台装置での説明では、上手に水たまりがあって、その上の板の上を渡れるようになっているのだけれど、舞台では誰も渡らない…とちょっと残念そうでした。
その水たまりは、爆弾が落ちた跡なのだそうです。
下手に鉄くずが置いてありますが、本当ならそんなものがあれば、くず鉄屋に売ってしまうという時代だから、そんな宝の山があるわけがないのだけれど、錆びたものが欲しかったから置いたそうです。

舞台上にある看板の“スタンドバー スズ”と“バー エム”は(四季があった)参宮橋のお店で、スズはスタンドバーではなく、今はエムの看板も無くなっていたというお話でした。

ここで、舞台監督の佐々木久寿さんとスタッフの西野さん(間違ってたらごめんなさい)が登壇。
ジョーのケロイドマスクの説明がありました。
ラテックスをオーブンで焼いたものがマスクの原型で、自然にフィットするように手でちぎって貼るのだそうです。

影絵は斉藤美絵子さんが実演して下さいました。
立ち位置の線が引いてあり、ズレると大小してしまうので気をつけていると仰っていました。
光源との距離によって影の大きさが変わるので、女と娘の場面はそれを利用していると土屋さんから説明がありました。
影絵の装置は、紗幕の一部に絵が描いてあり、そのすぐ後ろにスクリーン、奥に半円状のホリゾントがありました。

電線のようになっている光る線は、ファイバーなのだそうです。
普通、ファイバーは先端が光るようになっているのですが、特殊加工で線全体が光るようにしてるのですって。

最後は、参加者が客席から舞台に続く坂を上がり、舞台裏、袖を通ってロビーにあるマスクを見るという見学コース。
壁には、上野松坂屋、日本コロムビア、高島屋などの当時のポスターが貼られていました。

普段、客席から見ているだけではわからないことが聞けて見られるのは面白いです。
きっとまた、どこかの演目でセミナーがあったらポチッとしてしまうでしょう。

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